実況アナの自慰的コラム

好きなときに、好きなことを書きます。

稀代の名作ビデオ「東映怪人大図鑑」

光あるところに影あり。

ヒーローのいるところに怪人あり。

東映特撮作品に欠かせない存在、「怪人」にフォーカスを当てた超名作ビデオ

スーパープレミアムビデオ 東映怪人大図鑑

皆さんはご存じでしょうか。

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ジャケットにはハカイダー、バイオハンター・シルバ、シャドームーン

 

発売は1992年。

「真・仮面ライダー序章」や「恐竜戦隊ジュウレンジャー」が発表・放送されていた頃に、このビデオ作品も生み出されました。

担当プロデューサーは髙寺成紀氏と白倉伸一郎氏。

後に平成仮面ライダーシリーズを生み、そして袂を分かつ2人です。

収録作品は「仮面ライダーシリーズ」「スーパー戦隊シリーズ」「メタルヒーローシリーズ」以外にも、「バロム1」や「変身忍者嵐」、「仮面の忍者赤影」や「星雲仮面マシンマン」など幅広く、どんな特撮作品のファンも満足できる内容となっています。

 

 

私がこのビデオと出会ったのは、恐らく4、5歳の頃。

ビデオ屋さんでレンタルして、それこそテープが擦り切れるまで見ていた記憶があります。

以来、常に私の心の片隅に存在していたのですが、遂に先日久々に鑑賞することが出来ました。

その内容と懐かしさに、観終えて数分間は身体が震えたままでした。

果たして、何が私の心を鷲掴みにしたのか。

今回は皆様に是非共有させて頂ければ、それに勝る幸福はございません。

では、参ります。

 

 

➀怪人デザイナーごとの「世界観」

この作品では、東映特撮作品を創り、支えた4人の怪人デザイナーの作風分析、代表的な怪人の紹介が丁寧に紹介されています。

 

石ノ森章太郎の世界

 いわずと知れた「仮面ライダー」の生みの親。他の生物やモノを人間体に置き換えることで、東映怪人の造形の基本を創り上げた。

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仮面ライダーより「蜘蛛男」

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アクマイザー3より「ユキオンナ」


野口竜の世界

漫画界から怪人の造形デザインの世界に入ってきた。後に「鬼武者」や「バイオハザード」のキャラデザにも関わる。このビデオ曰く、彼の特徴は「左右非対称の妙」と「無機物・抽象的概念の具象化」とのこと。

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ザ・カゲスターより「ドクター・サタン」

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電子戦隊デンジマンより「ハンバラ―」

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宇宙刑事シャリバンより「サイコラー」

出渕裕の世界

メカやロボットデザインで名を挙げ、80年代にスーパー戦隊シリーズの怪人造形で確固たる地位を築いた。シャープなデザインで、リアリティを超越した説得力を生み出す。

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超電子バイオマンより「サイゴーン」

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超新星フラッシュマンより「大帝ラー・デウス

雨宮慶太の世界

ゼイラム」や「ジェットマン」、近年だと「牙狼」で有名な映像監督。デザインの際に演出プランやギミックにもこだわりを見せる。機械と生物の融合や、グロテスクな造形には独特の「カッコよさ」がある。

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機動刑事ジバンより「マッドガルボ」

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仮面ライダーBLACKRXより「デスガロン」

 

紹介した怪人はビデオに出てくるうちのほんの一部ですが、それぞれに親の個性が出ている気がします。

個人的に出渕・雨宮怪人には親近感を覚えますが、みなさんはいかがでしょう。

デザイナーごとの特徴や世界観が分かりやすく、視覚的に楽しく紹介されているのがこのビデオの素晴らしさです。

 

 

②怪人を「作成」する工程・裏話

特撮怪人のデザインに「命を吹き込む」のは、現在もあらゆる作品で活躍している「レインボー造型企画」の皆様。

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現在放映中「機界戦隊ゼンカイジャー」OPでも名前を確認できる

このビデオにはそのレインボー造形企画の代表、前澤範(まえざわ・のり)氏のインタビュー映像が収録されており、当時の裏話や怪人作成秘話などを聞くことが出来ます。

特に面白かったのは、「大鉄人17」のロボットを作るのに、当時の家庭に必ずあった「あるもの」を使っていたという話。

いろんなアイデアや工夫をもって、我々を楽しませてくれていたんだなあと、感心・感動すること請け合いです。

 

 

③1度聴いたら忘れないBGM

このビデオのBGMは、全て撮りおろしの新作。

よくある既存の作品のBGM・挿入歌の転用はほとんどありません。

そしてこのBGMが本当によく出来てる!

全編に共通しているのは、そこはかとなく漂う悲壮感。

不穏かつ不気味なメロディラインの中に、産み出されては倒されていく、怪人たちの悲壮感が見事に表現されています。

さらに、先述した各怪人デザイナーたちの雰囲気に合ったBGMは、それぞれの作風と絶妙にリンクしています。

このビデオのWikiを参照するに、

石ノ森章太郎編および野口竜編のコーナーの楽曲は、「昭和東映ヒーローの匂いのする曲にして欲しい」とのプロデューサーの意向で、スーパー戦隊シリーズをはじめ、本作でも選曲を担当している宮葉勝行が作曲を担当した。

出渕裕編および雨宮慶太編の楽曲は、逆に新しい感じが欲しいということで、白倉伸一郎プロデューサーの紹介で起用された岩崎建が担当している。』

東映怪人大図鑑 - Wikipediaより

とあります。

その狙いがばっちりはまった、素晴らしいBGMだと言えるでしょう。

サントラがあったら即購入するレベルです。

 

 

さて、いかがでしたでしょうか。

このビデオは、なかなか市場に出回らず、購入するのが非常に困難になっています。

もしお心当たりのある方、お手元にあるという方、ぜひご一報頂ければ幸いです。

言い値で購入いたします。

それでは最後に、先述したレインボー造型企画の代表、前澤範氏の特撮ファンへの言葉をご紹介して、このコラムを締めさせていただければと存じます。

 

怪人もヒーローも、善悪の区別はあまりありません。自分の子どもを極悪人を育てようなんて作りませんから。出来上がったものは、怪人もヒーローもおんなじに自分の子どもなんです。映画を見るときはヒーローだけでなく怪人にも愛情をもって観てほしいですね。

 

それでは、また。